30坪で平屋を建てる時の間取り。さまざまな間取りのパターンで考えてみる
生活動線の快適さやバリアフリー性能の高さなどから、人気が再燃している平屋。
伝統的な日本家屋のようでとってもおしゃれですが、ワンフロアにすべてを配置するため多階層住宅に比べて土地の広さが必要です。
では、一体どのくらいの広さがあれば快適な平屋が建つのでしょうか。
2018年に住宅金融公庫が調査したデータによると、一戸建ての住宅面積の全国平均は30坪ほど。
今回は、30坪で平屋を建てるときの間取りパターン、特徴や注意点を考慮した考え方を紹介します。
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30坪の平屋の大きさや特徴を紹介
まずは、30坪の平屋がどのくらいの大きさなのか見てみましょう。
30坪は広いのか狭いのか、またどのくらいの広さの土地があれば建てられるのか紹介します。
平屋30坪の広さはどのくらい?
1坪は、1辺の長さが6尺(約1.818メートル)の正方形です。
よって1坪の広さ(面積)は約3.3平方メートルとなり、30坪の平屋の広さは約99平方メートルとなります。
さらに別の言い方をすると、1坪は約2畳です。
畳の大きさは地域により若干の違いがありますが、基本となる畳1枚の大きさは縦182センチメートル×横91センチメートル=1.65平方メートル。
つまり、30坪の平屋は60畳の広さがあります(1畳1.65平方メートル×60畳=99平方メートル)。
30坪は平均より広い?狭い?
住宅金融支援機構が発表したフラット35利用者を対象としたデータによると、2023年に注文住宅を建てた方の住宅面積の全国平均は約119.5平方メートル、坪数で約36坪です。
また土地付きの注文住宅購入者の全国平均では約111.2平方メートル=約33坪となることから、30坪は少し狭いといって良いでしょう。
ただ30坪あれば、3LDKや4LDKの間取りも十分に可能な広さです。
4人家族がゆとりを持って暮らせる広さといえ、空間に余裕をもたせたり、ライフスタイルに合わせたプラスαの設計も可能でしょう。
平屋30坪なら土地はどのくらい必要?
30坪の平屋を建てるために必要な土地の広さは、建ぺい率(建蔽率)に応じて40~100坪ほどです。
建ぺい率は建物の面積÷敷地面積×100で求められる割合で、建築基準法第53条のもと地域や用途によって上限が変わります。
一般的な住宅の建ぺい率は30~60%の範囲で決まり、これにより建てられる建物の面積が変動。
その土地の建ぺい率は市区町村の都市計画課で確認できるので、実際にどのような決まりになっているのか確認しましょう。
仮に建ぺい率50%の地域に30坪の平屋を建てる場合、必要な土地の広さは60坪です。
広めの庭が欲しい場合は、65坪以上の土地が必要になるかもしれません。
縦に広げられる2階建て以上の多階層住宅と比べ、平屋は床面積30坪を確保するためにより広い土地が必要になることを覚えておきましょう。
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30坪で平屋を建てる際の注意点
30坪で平屋を建てる際に注意すべきポイントは、以下のとおり。
- 日当たり
- 防犯面
- 生活動線
快適さと安心感を両立した平屋を建てるために、必要なポイントをまとめて紹介します。
日当たりや採光に注意
平屋の魅力の一つは、ワンフロアで構造的に安定しているために開口部をたくさん作れることです。
自然の風や光をたくさん取り込んで快適な生活空間を整えることが平屋らしさですが、そのためには周辺を建物に囲まれていないことが大切なポイント。
都市部などで周りを高い建物に囲まれている場合は、日当たりが悪くなり採光性の確保が難しくなるため、良好な環境の土地選びが重要です。
コの字型やL字型にして中庭を作ったり天窓や勾配天井を採用したりして、採光性を上げる工夫をすると良いでしょう。
プライバシーや防犯面の配慮
ワンフロアに人が集まりやすい平屋は、コミュニケーションの取りやすさも魅力の一つ。
ただ一方で外と目線が合いやすく、プライバシーの確保が課題です。
- 道路に面してリビングを作らない
- フェンスを建てて視線を遮る
- 窓にレースカーテンを付けたりすりガラスにしたりする
- グリーンカーテンやシェードを利用する
など、間取りや外からの視線を遮る工夫をすると、プライバシー確保につながるだけでなく防犯性も上がります。
また必要に応じて防犯カメラやセンサーライト、防犯ガラスの採用も検討すると良いでしょう。
家事動線や生活動線を効率的に
1階建ての平屋は、2階建て以上と比べて強度的に余裕があります。
柱や壁を少なくできるため間取りの自由度が高く、家事動線や生活動線を効率的に配置できることがメリットです。
キッチンやお風呂などの水回りを近くにまとめて家事動線を短縮するなど、使いやすいような工夫を施しましょう。
また2way導線もおすすめです。
玄関からリビングまでの導線と玄関から各個室までの導線を明確に分けると、来客時でもプライベートな空間を見せずにすみます。
30坪平屋の間取りパターン
階段がなく柱や壁が少なくすみ、ワンフロアにすべての導線が集約され効率よく配置できるなど、平屋の強みを活かした間取りパターンを見てみましょう。
徹底的に導線を効率化したり、庭や自然を取り入れて情緒豊かな環境を目指したり。
工夫次第でさまざまな特徴を持った間取りができあがります。
開放感のある広々とした間取り
天井の自由度が高い平屋の特徴を活かして、梁をむき出しにした勾配天井を採用するのはいかがでしょう。
高い天井は開放感抜群で、梁そのものがインパクト大のインテリアになります。
またリビングから同じ高さのウッドデッキを置き、庭までの視線を統一すると開放感はさらにアップ!
室内から庭まで一体感を持たせると、30坪が40坪にも50坪にも感じられるでしょう。
中庭のあるおしゃれな間取り
少し広い敷地が確保できるなら、中庭のある間取りもおすすめです。
30坪の平屋はL字、コの字、ロの字型に配置し、どの部屋からも中庭に視線が抜けるような間取りにすると通風や採光性が向上します。
立地や周辺環境の影響で通風や採光性があまり良くない場合は、おしゃれで実用性もあり、さらに快適性も上がる中庭を検討してみましょう。
ロの字型は、L字やコの字型に比べて通風こそ劣りますが、中庭を外からの視線をシャットアウトしたプライベートな空間にできます。
バリアフリーにこだわる便利な間取り
平屋は、バリアフリー性能の高い家を作りやすいことも魅力の一つ。
柱や壁を少なくし、階段はおろか段差が一切なく、子育てや介護がしやすいバリアフリーデザインにこだわるのもおすすめです。
室内のドアに上吊りタイプの引き戸を採用すると、わずかな段差も作りません。
玄関やリビングを家の中央に配置し、浴室からランドリースペースへ直行できるような家事動線を意識すると使い勝手はさらに向上します。
畳敷きの部屋を作るのも良いですね!
まとめ:30坪をうまく使って理想的な暮らしに
30坪の平屋は余るほど広くはありませんが、4人家族なら快適に暮らせる必要十分な広さです。
さらに家事動線や生活動線を意識した間取りにしたり、リビングから庭まで突き抜けるような開放感のあるデザインを採用したりすると、使い勝手も快適性もアップします。
バリアフリー化しやすく地震にも強いなど、平屋の強みを活かした間取りにできると良いですね!
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