【今さら聞けない】ウッドショックの原因とは?新築注文住宅にどんな影響があるの?

【今さら聞けない】ウッドショックの原因とは?新築注文住宅にどんな影響があるの?

新築で注文住宅を建てようと考えている方のなかには、ウッドショックという言葉を聞いて心配している方も多いのではないでしょうか。

世界的な木材不足によって木材の価格が高騰し、住宅の価格にも影響を及ぼしているウッドショックは、2021年頃から注目を集めています。

ここでは、ウッドショックの概要や原因、新築住宅に及ぼす影響などをわかりやすくまとめました。

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ウッドショックの概要

2021年頃から話題に上がるようになったウッドショックについて、概要と、なぜそう呼ばれるのかを解説します。

ウッドショックとは?

ウッドショックとは、2021年から始まった木材不足や木材の価格高騰のことを指します。

1970年代に起こった石油不足の「オイルショック」という言葉になぞらえて、そのように呼ばれるようになったそうです。

2021年3月頃から、さまざまな要因が重なり世界的な木材不足が発生しました。

これにより住宅の柱や梁、土台などに使われる建築用木材の調達が以前よりも困難になりました。

※2024年11月現在は、収束傾向に向かっています。

ウッドショックの原因とは?主な原因5つ

ウッドショックの原因とは?主な原因5つ

ウッドショックが起きたそもそもの原因と、混乱が続いていた原因を併せて5つ紹介します。

日本の住宅業界が輸入材に依存する背景

今回のウッドショックの発生は、日本の住宅メーカーが建築用木材の7割を輸入材に頼っていることが大きく関係しています。

日本では、戦時中に軍事物資を確保するため、また戦後の復旧のために、大量の木材を伐採したことで森林の荒廃が進みました。

新たに植林し、木材を使用できるまでに少なくとも30年はかかることから、日本の建築は輸入材に頼るようになったのです。

さらに、森林が復活するまでの間に林業従事者が減少したことで、日本の林業が大きく衰退したことも輸入材への依存をエスカレートさせました。

国産材の供給がそもそも少ないなか、輸入材の調達が難しくなったことが今回のウッドショックのそもそもの背景といえます。

新型コロナウイルスの影響で建設ラッシュ

新型コロナウイルスの蔓延により、世界的にリモートワークへの移行が進むなか、特にアメリカでは2020年5月のロックダウン直後から新築住宅の建築需要が増加しました。

また中国でも同様の流れが起こり、建築用木材の需要が増したことから木材の価格が高騰し、その影響が日本にも及んでいます。

虫害や山火事、人材不足で木材不足に

木材の大きな輸入元であるカナダでは、マツクイムシなどの虫害や2021年に起こった山火事などにより原料が不足しています。

また、コロナ禍によって林業や製材工場などの稼働率が減少したことも、供給不足の原因となっているようです。

コンテナ不足で輸送遅れに

コロナ禍によって家で過ごす時間が増え、インターネットショッピングの需要が増したことなどによるコンテナ不足も原因の一つです。

世界的な流通の圧迫によって日本に木材を運べない状況が続いています。

また、2021年3月に発生したスエズ運河での大型コンテナ船座礁事故により、コンテナ輸送に遅れが生じたことも、木材の調達不足につながりました。

ロシアの木材輸出禁止措置の影響

ウッドショックが長引いている要因の一つとして、ロシアの木材輸出禁止措置による影響が挙げられます。

2022年2月に勃発したロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアは日本を含む非友好国への木材輸出を一部禁止しました。

日本がロシアから輸入する木材の割合はそう多くないものの、世界的な木材不足に拍車をかけていることは間違いなく、それにより木材価格の高騰が進んでいます。

新築戸建て住宅への影響は?

新築戸建て住宅への影響は?

これから新築戸建て住宅を建てようと考えている方にとっては、ウッドショックによる影響が気になるところです。

具体的にどのような影響があるか、まとめてみました。

住宅の建築単価が高騰し、遅れも

建築戸建住宅に利用される製材や集成材、合板などの輸入価格が軒並み高騰し、それにともない住宅の建築単価は月ごとに値上がりしています。

中には木材を確保できない住宅会社も出てきており、契約はしたものの建築の目処が立たないといった状況も発生しています。

また、木材以外の建材や、住宅設備などの物価高騰もあいまって、新築戸建住宅の取引需要は低迷している傾向にあるようです。

いつまで続く?終わりの見通しは?

木材が高騰している現状においてもアメリカ等では今後も高い住宅需要が見込まれており、ウッドショック終息への見通しは立っていない状況です。

木材の確保には長い年月を要すること、また地球温暖化などさまざまな要因により木材の十分な確保がいつになるか断定できないことから、状況がコロナ禍以前に戻らない可能性も十分に考えられます。

国内においても、当面は木材価格の高止まりが想定されます。

※2024年11月現在は、ウクライナ情勢を除いて、解消に向かっているため収束傾向にあります。

まとめ:よく相談して検討を

よく相談して検討を

ウッドショックは長年にわたり日本が輸入材に頼ってきた背景に加え、コロナ禍などさまざまな要因が絡み合い引き起こされた問題です。

新築戸建て住宅への影響は大きく、特に価格や工期などで混乱を招いています。

建築時期や予算を家族でよく相談し、どのハウスメーカーや工務店で建てるのかなども踏まえ、慎重に検討していくことをおすすめします。

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