蓄電池の導入はやめたほうがいいの?後悔しないように知っておきたいことは?
注文住宅を建てるにあたって、再生可能エネルギーに興味を持つ方も多いのではないでしょうか。
一般家庭の再生可能エネルギーといえば太陽光発電システムです。
良い噂も悪い噂も聞いたことがあるでしょうが、太陽光発電システムが本領を発揮するのは家庭用蓄電池と組み合わせたときです。
蓄電池を導入しようと検討している方に向け、やめたほうがいいかどうか、判断を間違わないためのポイントを紹介します。
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蓄電池とは?特徴やメリット、最近増えている理由
家庭用蓄電池(住宅用蓄電池)を導入するべきかどうかを適切に判断するためにも、まずは蓄電池をよく知ることからはじめましょう。
蓄電池の特徴やメリットに加えて、設置する家庭が増えている理由も併せて理解できるよう解説します。
蓄電池(住宅用蓄電池)とは?
まず蓄電池とは、車などのバッテリーや乾電池と同じように電気を溜めておく装置です。
太陽光発電システムで発電した電気あるいは電力会社から購入した電気を蓄電池に溜め、発電力が落ちる夕方以降の電力として消費したり、停電時の非常電源として活用したりできます。
太陽光発電システムを設置している家庭であれば、日中に発電した電力のうち家電の消費量を超えた余剰電力を蓄電池に溜めておき、いつでも使えるようにするシステムです。
災害時の非常用電源として使える
蓄電池があれば、災害などで停電したときに非常用電源として利用できます。
蓄電池の容量にもよりますが、大きいものであれば使用量を調整すると2~3日分の電力を賄えるほど。
太陽光発電システムのとの組み合わせなら、日中は発電、夜間は蓄電を利用して電力を賄えるため、停電が長期に及んでも最低限度の生活を維持できる可能性が高まります。
また2022年時点で太陽光発電システムでは停電時に最大1,500ワットまでしか出力できないうえ、使えるのは100ボルト電源のみです。
これが蓄電池であれば停電時でも最大3,000~5,900ワットまで出力でき、200ボルト電源も使えます。
高すぎる電気代の節約にも効果的
蓄電池を設置する大きなメリットは、電気代の節約につながること。
蓄電池を導入しようかと検討している方の多くも、節電効果に期待しているのではないでしょうか。
蓄電池は、太陽光発電システムの余剰電力や電気料金が安い深夜電力(23時~翌7時)で充電し、日中の電力消費を軽減するシステムです。
電気料金が安い時間帯に溜めた電気を高い時間帯に使うことで、電気代の節約につながります。
蓄電池を設置する人が急増している理由
2020年に経済産業省が公開した資料「第1回 定置用蓄電システム普及拡大検討会開催の目的」によると、蓄電池の出荷台数は2019年度で11万台超え。
家庭用蓄電池の販売がはじまった2011年の販売台数はわずか1,940台でしたが、急速に設置件数が増えています。
この要因の一つとされているのが、太陽光発電システムの売電価格を設置後10年間据え置くことを約束した固定価格買取制度(FIT)の期限を迎える家庭が増えたことです。
FITがはじまった2009年の売電価格は1kWhあたり税込み48円と高額で、この買取価格が10年間保証されることで太陽光発電システムを設置する家庭が増えました。
ところが、FITが期限を迎える2019年の売電価格は1kWhあたり7~9円ほどと大幅に下がっており、売電を続けるより蓄電して自家消費したほうが高い節約効果が期待できる状態に。
このような状況により、2009年に太陽光発電システムを導入した家庭を中心に蓄電池の設置が一気に増えました。
参考:経済産業省|第1回 定置用蓄電システム普及拡大検討会開催の目的
電池の導入はやめたほうがいい?後悔ポイント
太陽光発電システムしかり蓄電池しかり、本当に導入して良いのかどうかを決めるポイントは、実際にメリットを得られるかどうか、また納得できるかどうかです。
蓄電池を導入する多くの理由は電気代の節約でしょうが、必ずしも期待する効果が得られるとは限りません。
後悔しないよう、事前に配慮すべきポイントをいくつか紹介します。
日中あまり家にいないと節電にならない可能性も
繰り返しますが、蓄電池を導入する大きな目的は電気料金の節約です。
太陽光発電システムや安い深夜電力で溜めた電気を使い、電気料金が高い日中の電力を賄うことで節約効果を得るのが蓄電池の役割。
つまり、電気料金が高い日中に電力を消費する家庭ほど節約効果が高く、積極的に蓄電池を導入するメリットがあります。
ところが、学校や仕事で家にいない時間が多い家庭は、日中に消費するのは冷蔵庫など最低限の電力のみ。
そもそもあまり電気代がかかっていないため、蓄電池を導入しても効果を実感できない可能性があります。
また場合によっては、深夜電力が安いプランへの切り替えも必要です。
オール電化住宅であればほぼ問題ないでしょうが、深夜電力が安くならないプランのままで蓄電池を導入しても電気代は安くならないので注意しましょう。
設置スペースが確保できない場合もある
家庭用蓄電池の大きさはエアコン1~2台ほどで、容量に応じて大きく、重くなります。
屋内設置可能なものもありますが、重量や充電中に音を発するなどの理由から基本的な設置場所は屋外です。
しかし、現在主流なリチウムイオン電池は、温度変化や衝撃に弱いなどの特徴があるため、屋外ならどこにでも置けるわけではありません。
日当たりが良い、風通しが悪いなど温度が上がりやすい場所を避けて設置しないと、寿命が短くなったり爆発したりするリスクがあります。
蓄電池に適した場所があるかどうか、よく確認しましょう。
元は取れる?補助金は申請可能?
一般的に10~15年で元が取れるとされますが、実際の環境によりけりです。
蓄電池の導入費用の目安は、本体と工事費を合わせて1kWhあたり15~20万円程度とされます。
容量が大きくなると設置場所の整備費用がかかったり、高性能なものは価格が高かったりするものの、一般的な蓄電池の容量5~7kWh程度でおおよそ80~150万円ほどが相場です。
また、設置する蓄電池の種類(品質)、場所、施工業者などで金額が変わるほか、国や自治体からの補助金や助成金の有無、制度の内容によっても大きく変わります。
特に補助制度の内容は毎年変わるため注意が必要ですが、環境次第では現実的に元が取れる設計だといって良いでしょう。
販売業者を選ぶのも重要ポイント
家庭用蓄電池の購入方法は、インターネット販売と訪問販売の2つ。
インターネット販売の場合は比較検討もしやすいものの、訪問販売を利用する場合は注意が必要です。
なかには悪質な訪問販売業者もあり、「太陽光発電システムを設置する場合は蓄電池も設置する義務がある」「必ず得をする」などと言葉巧みに誘惑してきます。
また見積書に書かれていない工事を勝手におこなって追加料金を請求してくる場合もあるため、最後まで気が抜けません。
いずれの方法で蓄電池を購入するにせよ、評判をチェックしたり相見積もりを取ったりしてトラブル防止に努め、良い業者を探しましょう。
まとめ:蓄電池で失敗しないために
蓄電池の導入を検討するうえで大切なのは、正しい知識を身に着け、自身の生活スタイルでメリットがあるのかどうかの検討です。
蓄電池の品質、容量、価格、実際に得られそうなメリットや補助制度の有無などを総合的に判断してください。
また悪質な販売業者に騙されないよう評判をチェックし、複数の業者から相見積もりを取るなどの対策も忘れずにおこないましょう。
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