屋根材に使われる種類と特徴をそれぞれのメリット・デメリットと一緒にご紹介
注文住宅を建てる際、屋根材選びは迷いがちな要素の一つです。
注文住宅に使える屋根材は、スレートやガルバリウム鋼板、瓦など複数の種類があります。
それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、知っておけば選択の参考になるでしょう。
今回は、注文住宅用の屋根材の特徴や違い、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
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目次
屋根材とは?屋根材選びのポイント
はじめに、屋根材の定義や種類、注文住宅に使える種類などを紹介します。
家を建てるまで「屋根材について何も知らなかった」という方は珍しくありません。
しかし、屋根材が異なれば、家の印象や耐久度が変わってきます。
屋根材選びのポイントも紹介するので参考にしてください。
屋根材とは?
屋根材とは、屋根に取り付けられる仕上げ材の総称です。
瓦をはじめとして、スレート・鋼板・銅板・アルミ合金などさまざまな素材があります。
屋根材が変われば、同じ間取りやデザインの家でも印象がかなり異なって見えるでしょう。
また、屋根材によって最低屋根勾配の規定が異なります。
屋根を含む家のデザインがしっかり定まっている場合、自然と屋根材の種類も絞られてくるでしょう。
反対に、使いたい屋根材がある場合は、それが使える屋根のデザインを選択しなければなりません。
屋根材の選び方:屋根材選びのポイントは?
屋根材を選ぶ際、注目すべきポイントは以下のとおりです。
- 耐久性
- 価格
- デザイン性
- 重さ
耐久性が最も高い屋根材は、粘土瓦です。
耐久年数は80年以上あり、1枚ごとに交換ができるうえ、塗装も必要ありません。
その一方で粘土瓦は重くて施工費用が高いデメリットもあります。
また、昨今はデザイン性の高い屋根材の選択肢も増え、おしゃれな屋根も作れるようになりました。
屋根材を選ぶ際は、何を最優先するか優先順位を決めましょう。
ただし、屋根は定期的なメンテナンスが必要であり、まとまった費用がかかります。
デザイン性を最優先するとメンテナンス費用が膨大になる恐れもあるので注意しましょう。
この他、土地の特性や屋根勾配、屋根の形状によって適した屋根材が異なることも意識しておく必要があります。
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【スレート系屋根材】主な特徴とメリット・デメリット
スレート系の屋根材は、日本の戸建て住宅の約7割で使用されているポピュラーなものです。
住宅街を歩くと、スレート系の屋根材を使った住宅がすぐに見つかります。
スレート材は天然スレートと化粧スレートの2種類があり、屋根材として使われるのは化粧スレートが大半です。
ここでは、スレート材の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。
スレート(コロニアル)
屋根材に多く使われる化粧スレートは、セメントと繊維素材を薄い板に加工したものです。
薄い板のような形状から「平板(へいばん)スレート」「薄型スレート」「薄板スレート」とも呼ばれることもあります。
単に「スレート」といった場合、このスレートを指します。
外装建材メーカーのケイミューが販売しているブランド、「カラーベスト」の「コロニアル」という商品が最も有名です。
そのため、スレートのことを「カラーベスト」や「コロニアル」と呼ぶ業者もあります。
化粧スレートのメリットは、価格がお手頃で色やデザインが豊富なこと、扱える業者がたくさんあることです。
耐用年数は30~40年が目安で、施工費用は1㎡あたり6,000円~12,000円が相場となっています。
デメリットは、こまめなメンテナンスが必要なことや、ちょっとした衝撃でも割れやすいことです。
また、湿気が残りやすくコケや藻が生えやすいのもデメリットです。
【金属系屋根材】主な特徴とメリット・デメリット
金属系屋根素材には、ガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板、トタン、銅板、ステンレス、チタンなどがあります。
金属系屋根素材は耐久性が高い製品が多い一方、サビや腐食、衝撃に弱いなどのデメリットもあります。
金属製屋根材のなかで、主に注文住宅に使われるのはガルバリウム鋼板やジンカリウム鋼板です。
以下に、この2つの屋根材の特徴やメリット・デメリットを紹介します。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、トタンに変わって金属系屋根材の主流となっている製品です。
ガルバリウムという合金で鉄をメッキしたもので、軽量でサビにくいなどのメリットがあります。
また、防水性や耐震性が高く、耐久性も30年から40年と長めです。
価格の目安は、6,000円~12,000円/㎡程度です。
値段に対して耐久性やデザイン性のバランスがとれていて、塗装すればさまざまな色やデザインの屋根が作れます。
一方、定期的な塗装の塗り替えが必要で、キズやへこみに弱いなどのデメリットもあります。
例えば、台風が通りやすい地域では、飛来物で頻繁に修理が必要になる恐れがあります。
また、海辺の家の屋根に使うと、サビやすいでしょう。
このほか、重量感がなく安価に見られがちなのもデメリットです。
ジンカリウム鋼板
ジンカリウム鋼板は、ガルバリウムと同じくアルミニウムと溶融亜鉛、シリコンで構成された素材です。
国産か輸入品か、取扱う会社によってジンカリウムかガルバリウムと商標登録が異なるのですが、日本の住宅業界では、表面を石粒でコーティングした金属屋根材をジンカリウム鋼板と呼ぶことが多いです。
この自然石粒付きの鋼板は、傷が付きにくいなど耐久力に優れ、ガルバリウム鋼板の弱点だった遮音性・断熱性の低さもなく、再塗装も必要ありません。
海辺などサビが発生しやすい場所でも問題なく長年使えるでしょう。
サビにも紫外線にも強く、耐久年数も30年から50年と長いです。
メリットが多い金属屋根材ですが、1㎡あたり8,000円~14,000円と価格が高めなのがデメリットです。
また、ガルバリウム鋼板に比べると重量があり、屋根のデザインが限られます。
なお、メンテナンスが不要なわけではなく、石粒が剥がれるなど劣化のサインが現われたらメンテナンスが必要です。
【その他の屋根材】主な特徴とメリット・デメリット
金属、スレート以外の屋根材としては、アスファルトシングルとセメント瓦(コンクリート瓦)などがあります。
ここでは、この2つの特徴やメリット・デメリットを紹介します。
アスファルトシングル
アスファルトシングルとは、アスファルトをガラス繊維の基材に浸透させて、表面を砂粒で着色している屋根材です。
北米で生まれ、アメリカでは一戸建ての屋根材としてポピュラーな製品です。
防水性、防音性、耐震性が高く、耐用年数も50年以上もあります。
また、加工が容易で価格も低く、3,500円~12,000円/㎡が相場です。
その一方で、強風でめくれやすいなどのデメリットがあります。
台風の上陸が多い日本で今一つ普及していない最大の理由の一つが、この風への弱さです。
また、勾配の緩い屋根には適しておらず、注文住宅の形次第では使えないケースもあるため、注意が必要です。
セメント瓦(コンクリート瓦)
セメント系の屋根材は、厚形スレート瓦(プレスセメント瓦)、コンクリート瓦(モニエル瓦)などがあります。
1970年代に、粘土瓦よりも安価に瓦屋根が作れると盛んに使われた屋根材の一つです。
しかし、重い、耐震性が低い、瓦屋根に比べると耐久性が低いなどのデメリットから、現在はほとんど使われていません。
他にも、以前は一般的だったのに、昨今は使用されていない屋根材はいくつかあります。
アスベストが使用されている石綿スレート(現在は使用中止)は、解体する際にも特別な工程が必要のため、注意が必要です。
まとめ:よく比較検討しつつ相談して決めよう
屋根材は、素材ごとに費用が異なり、特徴やメリット・デメリットがあります。
内装やデザインに凝ると屋根材にかけられる費用が少なくなり「安ければいい」と思いがちですが、メンテナンス費用が余計にかかってしまうケースもあります。
屋根材を選ぶ際は価格だけでなく、耐久年数やメンテナンス方法、注文住宅の屋根のデザインに使えるかなどを考慮に入れて相談しつつ、よく検討してくださいね。
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