注文住宅の階段で後悔したくない!選び方のポイントを解説
注文住宅の階段は、ぜひともおしゃれで使いやすくしたいところ。
こだわり抜いた素材で独自性に富んだ形状を想像している方もいるでしょうが、あとあと「ヤメておけば良かった……」などと後悔したくはないですよね。
満足できる階段を設置するうえで押さえておくべきポイントや注意点などを紹介します。
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目次
後悔しない階段選びのポイントとは?
注文住宅の階段の設置場所やデザインは、家全体の間取りをも左右するほど大事なポイント。
「失敗したくない!」と思うなら、どこに注目するべきなのか理解が大切です。
少しでも理想に近づけられるよう、しっかりとポイントを押さえておきましょう。
階段の設置場所は間取りのどこの位置がいい?
階段の設置場所にはさまざまな希望があるでしょうが、理想的とされるのは家の中心付近です。
家の中心付近に階段を設置すると、2階の廊下を最小限に抑えられ、スペースを最大限に活用できるほか、生活動線が短く、使い勝手の良い間取りになります。
無駄なスペースを減らせば、同じ坪数でも居住空間を広く取れるのも魅力です。
玄関付近に設置するのも良いですが、家の端に階段を設置すると動線が長くなり不便さを感じやすいため、注意しましょう。
リビング階段のメリット・デメリット
家の中心付近に階段を設置する場合、間取りの関係から必然的にリビング階段になることが多いですが、リビング階段には以下のようなメリットがあります。
- 上に行く際も必ずリビングを通るので家族のコミュニケーションが生まれる
- リビングが広く見える
- 明るい階段になる
- デザイン性にこだわればインテリアにもなる
- 声や気配が伝わりやすく、1階と2階につながりが生まれる
このようなメリットから注文住宅でリビング階段を採用する方が増えていますが、一方でデメリットもあります。
- 料理の匂いが上がってくる
- 冷暖房効率が悪くなる
- 生活音が伝わりやすい
- 来客時にリビングを見られる
- 子どもが成長すると煩わしく感じる可能性がある
昨今の建築は気密性や断熱性が向上したので、リビング階段は寒いという認識はやや時代錯誤となりました。
ただし、家族の成長によって、リビング階段がやや居心地悪いものに変化することも。
子どもの友達が子ども部屋に直接遊びに訪れるような場合、リビングもすべて目に入ります。
リビング階段にしたことで、部屋をキレイに整えたり、ちゃんとした格好でいなければならなかったりなどが気になる方もいるようです。
安全性・実用性に注意した階段づくりを
階段をインテリアの一部と考える場合は特に見た目を優先したくなるところですが、デザイン性の高さだけでなく安全性や実用性の高さにもこだわるのが後悔しないポイントです。
例えば1階と2階を直線的に結ぶ直階段は、設置面積を最小限に抑えて費用を節約できる反面、勾配が急になりやすかったり転げ落ちる危険があったりします。
特に小さい子どもや高齢者がいる場合は、転倒して怪我をする可能性を考慮しましょう。
後ほど詳しく説明しますが、「かね折れ階段」や「折り返し階段」など、途中で折り返したり踊り場を設置したりできる階段にすると、一気に転げ落ちてしまう危険を軽減できます。
階段下の収納など有効活用法を考える
階段下をデッドスペースにせず活用する工夫も、注文住宅の階段で後悔しないうえで大事なポイントです。
- トイレ
- 収納
- 本棚
- テレワークスペース
など、活用方法はさまざま。
設置する階段の種類や大きさなどによって活用できるスペースは変わりますが、無駄なスペースにならないよう工夫しましょう。
注文住宅の階段の形の種類と選び方
注文住宅の階段には次のような形状があります。
それぞれの特徴、メリットやデメリットを把握しておきましょう。
直階段(直線階段、ストレート階段)
上下階を一直線につなぐタイプの階段です。
日本家屋でよく見られるシンプルな形状で建築費用を抑えられるのが魅力ですが、直線的な形状ゆえ転倒リスクがあります。
転倒時に下まで転げ落ちてしまう可能性があったり、スペースが狭いと勾配が急になったりするため、特に小さい子どもや高齢者がいる場合は注意が必要です。
広いスペースを充てて勾配を緩やかにしつつ階段下のスペースを収納として活用するなど、デッドスペース化しない工夫をすると良いでしょう。
かね折れ階段(折れ階段、L字階段)
途中で90度曲がるタイプの階段です。
途中に角や踊り場を置くことで一気に下まで転げ落ちるリスクを軽減でき、勾配も緩やかになるため安全性が向上します。
ただ直階段より広いスペースが必要で建築費用も高くなるため、階段下のスペースを有効活用して面積あたりのコストパフォーマンスを上げると良いでしょう。
折り返し階段
180度回転するように折り返すタイプの階段です。
かね折れ階段より明確に踊り場を設置でき、転倒時の安全性がさらに向上します。
直階段と比べて段数が多く、踊り場のスペースも必要なため設置にスペースが必要です。
階段下のスペースは収納などで活用できますが、居住スペースを侵食してしまう可能性もあるので注意しましょう。
らせん階段(螺旋階段)
支柱を中心にらせん状に設置するタイプの階段です。
筒状に設置するためコンパクトなスペースに設置できるほか、おしゃれでオブジェやインテリアになる、リビングに堂々と設置できるなどの魅力があります。
ステップの形状が複雑で中心は面積が狭いため踏み外しやすい、建築費用が高いなどの特徴に注意しましょう。
階段の手すりの種類と選び方
安全性の問題もあり、2000年6月の法改正で手すりの設置が義務化されましたが、ただ単につければ良いわけではありません。
手すりは子どもや高齢者が安全に階段を利用するうえで大きな助けとなるため、デザイン性だけでなく実用性にもこだわりたいところ。
力をかけやすい形状、滑りにくい材質などに加え、大人と子どもで握りやすい高さが違う点などを考慮して選びましょう。
以下、代表的な手すりの種類とメリット、デメリットを紹介します。
壁付けタイプの手すり
階段の壁に直接設置するタイプの手すりです。
壁に受け具を固定し、受け具に棒状の手すりを固定します。
日本家屋では最もポピュラーなタイプで、単純な構造ゆえに廉価なのが魅力。
2000年の法改正以前は階段の両側に壁がある場合は手すりが不要でしたが、現在は少なくとも片側に手すりを設置しなければいけません。
オープン(シースルー/スケルトン)タイプの手すり
両側を壁で覆われた階段ではなく、片側もしくは両側に壁がない階段に直接手すりを設置するタイプです。
手すりの間から階段が抜けて見えるので開放感があり、おしゃれにデザインできます。
壁沿いに1面の壁で支える片持ち階段(フローティング階段)を設置し、壁と反対側にオープンタイプの手すりを設置すれば、光と風、開放感を演出できます。
パネルタイプの手すり
フローティング階段の手すりとステップとの間にパネルを設置するタイプです。
オープンタイプの手すりは落下のリスクが気になる方でも、パネルタイプの手すりなら不安を解消できます。
手すりとステップの間に隙間がないので、小さい子どもやペットがいる場合でも安心です。
ガラス製のパネルを採用すれば開放感も得られます。
階段のステップの種類と選び方
階段のステップの種類は、箱型とオープン型の2種類。
どちらも特徴的で、メリットやデメリットがあります。
箱階段
箱型階段は、足を乗せる踏み板が蹴込み(けこみ)で連結されているタイプです。
日本家屋ではポピュラーなタイプで、箱を積み重ねたように隙間なく段が配置されるため、階段下を収納やトイレなどで活用しやすいのが特徴。
比較的廉価に作れるだけでなく、タンスの引き出しを並べたようなデザインにすればおしゃれなインテリアにもなります。
オープン階段
オープン階段は、踏み板同士が連結されておらず空間が開いているタイプです。
オープン型、ストリップ型やスケルトン階段などとも呼ばれ、視界が抜けて光や風が隙間から通るため開放的な空間を演出できます。
窓側に階段を設置できるのもメリットです。
デザイン性や機能性に長けている反面、コストがかかるのが玉にキズでしょうか。
隙間から小さな子どもやペットが落下する危険もあるため注意が必要です。
幅や長さ、素材などその他のポイント
その他、階段の素材、踏み板の幅や高さなど検討すべきポイントはまだあります。
階段は専有面積が広く、ともすれば家のイメージを左右する部分です。
注文住宅では、位置や形状だけでなく細部にもこだわって階段を選べます。
階段の素材
階段の素材でよく使われるのは以下の4つ。
- 木材
- 金属
- ガラス
- 石
それぞれに特徴がありますが、馴染み深い木材でも色味や質感で印象は大きく変化します。
使いたい素材によって建築費が異なるため、同じ素材でも特徴を変えたり、複数の素材を組み合わせたりすると、予算内でイメージどおりの階段に仕上げやすくなります。
階段の照明
採光性にこだわった階段なら、日中は明るくて使いやすいですが、夜間は照明が必須です。
デザイン次第では階段専用の照明は必要ないかもしれませんが、せっかくなら使いやすくおしゃれな照明を配置したいところ。
手すりの裏側や踏み板の裏側にLEDを設置して常夜灯を兼ねたり、人感センサーで節約したりと工夫を楽しんでくださいね。
幅や高さ、段数、緩やかさ
階段の幅や高さは、建築基準法で以下のように規定されています。
- 階段幅:75cm以上
- 踏面(ふみづら):15cm以上
- 蹴上(けあげ):23cm以下
とはいえ、上記はあくまでも最低限の基準です。
足を乗せる部分が15cmではつま先しか乗せられない方もいるでしょうし、23cmでは1段1段が高いと感じる方もいるでしょう。
実際に住む方が快適に生活できるよう、上り下りしやすい寸法に調整します。
ちなみに公共施設では踏面30cm、蹴上15cmに規定しているところが多いようです。
まとめ:家族構成やライフスタイルにあわせて選ぼう
注文住宅の階段は位置やデザインにはじまり、素材や細かな寸法まで決めることがたくさんあります。
さらには手すりや照明なども考えなければいけないため、一朝一夕では決められるものではありません。
ただ、一つひとつ組み立てて理想を実現する作業はそれだけで楽しいもの。
見た目はもちろん使い勝手にも満足できるよう、家族構成やライフスタイルを考慮して全員が満足できる構成を検討してくださいね。
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